新年に神社でおみくじを引くのが恒例行事、という方も多いのではないでしょうか。ところで「おみくじ」は俳句などで季語として認められているのか? あるいは「初みくじ」「初詣」は季語に含まれるのか? そんな疑問を持つ方もいるようです。
結論から言うと、「おみくじ」そのものは一般に季語として扱われていません。しかし、「初みくじ」「初詣」は新年(冬)の季語として使われる場合があるとされています。
記事を読むとわかる事👇
1. おみくじは季語に含まれるのか?その理由を解説
2. 「初みくじ」「初詣」は新年の季語として扱われることがある
3. 俳句や短歌で「初みくじ」を使う際のポイント
4. おみくじと日本の伝統文化との関係

おみくじは季語ではない?
おみくじは季語ではない?「初みくじ」は新年の季語
なぜ「おみくじ」は季語にならないのか
俳句や短歌などで季節を表す言葉(季語)が大切にされますが、「おみくじ」は通年引かれるもので、特定の季節に限定されないため、標準的な季語として扱われていないのが一般的です。
一方、お正月に初詣で引く「初みくじ」は、新年の行事と強く結びついており、「新年の季語」の一種として認識されることがあります。
- おみくじ:一年中引けるので「季節限定」感が薄い
- 初みくじ:正月行事(初詣)との関連で新年を強く示唆する
こうした背景から、俳句などの文芸では「初みくじ」を使うと年明けの雰囲気を短い言葉で表現できるというわけです。
初詣や初みくじは新年の季語
「初詣は季語?」という疑問に対しては、新年に神社仏閣を参拝する風習として、初詣は新年(冬)の季語だとされることが多いです。
- 初詣(はつもうで):年が明けて初めて神社やお寺に行く行為
- 初みくじ:初詣のときに最初に引くおみくじ
俳句や短歌では、新年の行事を表現する季語として使われる場合があります。たとえば、「初詣」「初御籤(はつみくじ)」「お年玉」「門松」などがお正月を象徴する季語として挙げられます。
おみくじの読み方と種類
おみくじは「御神籤(ごしんけん)」、「御仏籤(おふつけん)」など神社・寺院によって漢字表記や扱いが異なる場合も。
- 読み方:おみくじ
- みくじとおみくじの違い:敬意を表す「御(み)」にさらに「お」がついて「おみくじ」となった、という説が一般的
また、おみくじには末吉・凶など吉凶を示すもののほか、「大吉後凶」「凶後大吉」などユニークなパターンも存在。季語ではありませんが、お正月に引くときは「初みくじ」として新年の趣を帯びます。

お正月の季語とおみくじの関係
俳句・短歌での使い方|お正月の季語とおみくじの関係
お正月の季語はたくさんある
お正月(新年)に関連する季語としては、以下のようなものが挙げられます。
- 初春(旧暦の影響で冬だが新年を指す)
- 元日/元朝/三が日
- 初詣/初みくじ/初御籤
- お年玉(新年の季語として扱われる場合がある)
- 若水/門松/鏡餅 など
おみくじそのものは季語ではなくても、「初みくじ」として詠めば新年の季節感を醸し出せる、という使い方が俳句の世界で行われています。
実際の俳句例
公開されている俳句の中には、「初みくじ」という言葉を使ったものがあります。たとえば、(実例はオリジナル短文として…)
初みくじ 重ねる願ひ 神木の下
(はつみくじ かさねるねがい しんぼくのもと)
このように、年初めの切ない願いや前向きな気持ちをコンパクトに表現できるのが俳句の魅力。ちなみに「初詣」をそのまま季語として使う俳句も多く、「初詣の人波」「初詣の鳥居越しに見る冬空」などが挙げられます。
おみくじ以外に冬の季語で迷う例
「冬の季語」としては「雪」「霜」「師走」などメジャーなものがありますが、お正月関連だと「初春」「元朝」「雑煮」「お年玉」などが定番。
- 「お年玉は季語?」→ 新年行事として季語に含まれるとする見解が多い
- 「初春(はつはる)」→ 旧暦の名残で冬だが新年を表す季語
季語の扱いは流派や辞典によって多少差があるため、俳句を本格的に詠みたい方は専用の季語辞典などを確認すると確実です。

文化的背景
おみくじは、日本独自の神道や仏教文化の中で発展してきた歴史があります。
- 中国から伝来した「天竺霊籤」がルーツ
- 鎌倉~江戸時代を経て庶民に広まる
- 年中いつでも引けるが、正月に特に人気
こうした経緯から、「おみくじ」は行事というよりも個別の信仰行為とされる傾向が強く、季語としては汎用性が高すぎる(→特定季節に限定されない)ために認められていないのが一般的です。しかし「初みくじ」として言葉を区切ることで、新年の行事らしさを演出できるのですね。
おみくじ 季語「初みくじ」は新年の季語?解説まとめ
この記事のポイントをまとめました。
- おみくじは通年行われるため、標準的には季語ではない
- 「初みくじ」は新年の季語として扱われることがある
- 初詣(初参り)も新年の季語で、おみくじとセットで詠まれる場合も
- お年玉や門松なども正月の季語であり、俳句に季節感を添える要素となる
- おみくじの漢字表記:御御籤、御神籤、仏籤など神社・寺院によって違いも
- 俳句で「初みくじ」を使うと、新年の雰囲気や初詣の情景を短い中に込められる
- おみくじ自体は日本の伝統文化であり、江戸時代に庶民へ普及
- 「初みくじ」とすることで、新年特有の期待や祈願を表現しやすい
- 「初詣を終えて最初に引くおみくじ」が「初みくじ」とされる
- 俳句で季語を使う際は、辞典や流派による違いも確認
- 夏目漱石らが季語として扱った例はあまりないが、現代俳句では自由に使う人も
- お正月の季語には初春、三が日、お年玉、初御籤など多くの候補がある
- 中国の観音籤などから影響を受けつつ、日本独自のおみくじ文化に発展
- 「おみくじは日本文化?」→ はい、神仏習合や神道・仏教文化に根付いた風習
- 結論:おみくじ単体は季語ではないが、正月の行事との結びつきで「初みくじ」は新年の季語
「おみくじ」自体は一年中引けるため季語とは認められず、「初みくじ」や「初詣」といった形で新年の季節感を表現するのが一般的。もし俳句や短歌でおみくじの情景を詠むなら、「初みくじ」として使うのがおすすめです。季語として「初みくじ」を取り入れてみると、正月らしい雰囲気が一瞬で演出できるかもしれませんね。